判断基準はあいまいですですが
サラリーマンが本業で得ているのは「給与所得」です、そしてネット副業で得た所得は「雑所得」となります。しかし事業所得として申告できれば節税が可能です。片手間に行った転売やアフィリエイトなどによる所得がなぜ「事業所得」として認められないのでしょうか。


【1】「給与所得」と「雑所得」

1-1.所得は10種類に区分されています

所得とは収入から経費を差しい引いたものですね、この所得はその性格の違いにより次の10種類に区分されており、それぞれ税金のかかり方も違ったものとなっています。

1.利子所得
2.配当所得
3.不動産所得
4.事業所得
5.給与所得
6.退職所得
7.山林所得
8.譲渡所得
9.一時所得
10.雑所得

それぞれの所得についての説明は、こちら(国税庁のホームページ)を参照してください。

1-2.副業で得た所得は雑所得です

この10種類の所得の中で、サラリーマンのあなたが本業で得ているのが「給与所得」です。ではネット副業として行ったオークションや転売、またアフィリエイトなどで得た所得は何になるのでしょうか、これはふつう「雑所得」となるようです。したがって確定申告においては「確定申告書A」の書式を提出することになり添付書類などは必要ありません。



【2】副業で稼いだ所得を「事業所得」として申告できないのですか

2-1.節税が可能だからです

ただここでよく取り沙汰されるのが、副業で稼いだ所得を「事業所得」として申告できないなか、ということです。というのも事業所得として申告すれば損益通算や青色申告65万円控除など雑所得にはない節税が可能となるからですね。その節税効果・メリットをまとめてみると、


◆ 損益通算を利用出来ます

  • たとえば給与所得と事業所得を合算して申告できるので、事業所得がマイナスであれば給与所得で徴収された税金を還付申告することができます。



◆ 青色申告特別控除を利用出来ます

  • 10万円または、複式簿記の記帳であれば65万円の控除を受けられます
  • 純損失の繰り越し控除が利用できます
  • 家族の給与を必要経費にすることが出来ます
  • 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例がうけられます(青色申告法人である中小企業者又は農業協同組合等が対象です)

雑所得にはこのような特権はありません。




2-2.サラリーマンが副業で得た所得のゆくえ

このように節税のためなら事業所得として申告したほうがもちろん有利です。しかし雑所得と事業所得については所得税法上においても明確に区分されておらず、基準もあいまいです。


したがって副業で得た所得が、事業所得として認められるハッキリとした条件はありません、最終的には税務署が判断することです。しかしサラリーマンが副業で得た所得を事業所得として認めてもらうには無理がありそうです。



【3】判断に迷ったら前もって所轄税務署に相談することです

3-1.ポイントは客観的に「事業と言えるのか」

明確なことは言えませんが、雑所得と事業所得の区分はあくまでも申告された内容で判断されるのでしょう、たとえば

  • その所得で生計を立てている
  • 費やした労力や継続性
  • 事業規模や設備

など本人の意思や取り組みだけではなく、客観的に「事業と言えるのか」といった視点から総合的に判断されるようです。したがって給与所得があり、「片手間の副業程度」ではたぶん無理があるのではといえるのです。

3-2.事業所得として申告することはできるのですが

しかし、サラリーマンの中には本業をしのぐ勢いで所得を得ている方もいるはずです。こうなれば少しでも優遇措置を受けたいのは当然のことです、また事業所得として申告すること自体は自由です。


ただこの場合、確定申告書Bを使うことになりますね、少しややっこしくなりますが簡易簿記で済ますのなら収支内訳書の作成も必要です。さらに青色申告特別控除(65万円ほか)を利用したいなら、開業届や青色申告承認者申請手続き、また複式簿記による決算書の作成も必要となります。でも・・・、


いくら面倒な複式簿記による決算書を作成して、事業所得として青色申告を行ったところ、税務署から「これは雑所得ですから、修正申告してください」と言われてしまえばそれまでです、これはつらい、かなりへこみますね。


こうならないためにも結局最善手はひとつ、判断に迷ったら前もって所轄税務署に相談することです。ネット上にも有益な情報は多いのでしょうが、所轄税務署に直接聞くことが最善手ではないでしょうか。

3-3.あなたが申告すべき所得は「副業で得た所得」です

サラリーマンのあなたが副業で得た所得を確定申告する、初めての場合は何かと不安です。たぶん市販されている「確定申告の手引き」などを読まれるはずです。すると白色・青色申告の違いなどから始まり「青色65万控除がやっぱり有利!」などといった流れになると思います。しかしこういった手引書の多くは「個人事業者向け」に書かれたものです。


サラリーマンであるあなたが申告すべき所得は「副業で得た所得」です。参考とされるのなら「副業における所得を確定申告する」といった旨が謳われた内容のものを参考としてください。ここをハッキリさせておかないと混乱を招きます。



【4】これはへんですね

ネット上には有益な情報が多く本当にありがたいことです、しかし副業で得た所得を確定申告するにあたり、明らかにおかしな情報も目にします。最後にそんな事例をふたつあげてみます。

4-1.「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出すれば事業所得となる
開業届のことですね、副業であっても開業届を出すのは勝手です。しかしこれは「個人事業主として商売を始めます」といった報告書です。「提出さえすれば、得た所得を事業所得とすることが出来る」などといったことはありません!


4-2.青色申告承認者申請を提出していれば事業所得となる
これも同じです、事業所得となる・ならない、問われるのはその事業の内容なのですから。



最後に繰り返しますが、わからないことがあったら所轄税務署に電話でもして問い合わせることが一番です!



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