収入から「経費」を引いたのが所得です
経費とは収入を得るために要した費用のことです。そしてその証拠となるのが領収書や通帳、クレジットカードの利用明細などであり保存義務も生じます。ここでは副業で発生しそうな経費を勘定科目別に、また領収書の取扱や家事関連費についてまとめてみました。


【1】経費とは収入を得るために要した費用のことです

1-1.必要経費に算入できる金額

国税庁のホームページを見ると「No2210 やさしい必要経費の知識」において、「必要経費に算入できる金額」として以下のように表されています。

1 必要経費に算入できる金額
事業所得、不動産所得及び雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額です。
(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額


1-2.勘定科目別にまとめてみると

経費を一言で表せば「収入を得るために支払ったお金」のことです、商売に関連して買ったものや支払ったものですね。当然のことですがプライベートで使ったお金はここには含まれません。経費は費用などとも表されます。たとえばネット副業において発生するおもな経費について勘定科目(取引を分類したもの)別にまとめてみます。


勘定科目内容
通信費プロバイダー料・サーバーレンタル料・ドメイン取得料といったインターネット関連費用がこれに当たります、その他電話料・切手代・はがき代も通信費です。
消耗品費インクリボンやパソコンアクセサリー・コピー用紙・文具など使い切ってしまうものです。
備品パソコン・プリンター・シーラー・デジカメ・机やいす・キャビネットなど、ただし10万円以上のものは経費として計上せず減価償却をしなければなりません。
旅費交通費セミナー参加や、取材・せどり(仕入)のための交通費などです。電車バス代・高速代・駐車代・宿泊費などがこれに当たります。
車両燃料費ガソリン代など。
研修費セミナーやイベント、勉強会などへの参加費用などです。参加日、セミナー名を明記しておきましょう。
荷造発送費宅配便代金・梱包用資材(ダンボール箱・プチプチ・ガムテープ)などです。
新聞図書費新聞代・書籍代などです。
支払手数料振込手数料・アマゾン販売手数料、カテゴリー成約料などです。
会議費打ち合わせなどで喫茶店を利用した時の飲食代など。
接待交際費得意先との飲食代や慶弔見舞、お中元・歳暮など。
諸会費入会金や年会費など。
租税公課収入印紙など。
雑費他の科目に当てはまらないもの。


【2】領収書の取り扱いについて

2-1.上様・品代は認められないこともあります

使ったお金の証拠となるのが「領収書」です、日付・宛名・金額・品名(但し書き)・発行者・内訳などに記入不備があってはいけません。また宛名を「上様」、品名(但し書きを「品代」とされたものは認められない場合もあります。購入された商品名などを具体的に記入してもらってください。また税抜金額5万円以上の場合は収入印紙が必要です。

2-2.領収書がもらえない時は「出金伝票」が便利です

バス代や電車代、また香典など領収書のもらえない場合は、取引の内容がわかるフォーマットを用意して記入したものを保存します。エクセルを利用して自分で作ってもよし、市販されている「出金伝票」も便利です。





また預金通帳(振替・振込)、ネットショッピングの購入・入金確認のメール、クレジットカードの支払明細なども領収書の代わりとなるので必ず保存してください。

領収書の保存期間と廃棄

領収書の保存期間は5年間です、年度別に綴じておきましょう。また保存期間が過ぎたものは廃棄します、ただ「燃えるゴミ」としてそのまま出すような真似は慎みたいものです。主要簿・補助簿も含め、重要書類や機密書類専用廃棄業者を利用するのもいいでしょう、せめてシュレッダーにかけてから廃棄しましょう。

【3】自宅兼事務所!「家事関連費」の計上方法

3-1.費用は按分して計上できます

例えば家賃や光熱費、またガソリン代や電話料金など自宅と事業両方で使用しているものを「家事関連費」といいます。そしてこうした費用を経費とする場合は、事業で使用した分を按分して計上することが出来ます。


家事関連費の対象となるものとは・・・

★ 家賃
★ 光熱費
★ 電話料金
★ ガソリン代

などです。

3-2.明確に説明できる根拠や基準を

『主たる部分が業務の遂行上必要であり、かつ、業務に必要である部分を明らかに区分することができる場合のその区分できる金額』
国税庁のホームページにはこのように表されていますが、按分にはこれといった決まりはないようです。ただし床面積の割合や使用時間など、税務署の方に明確に説明できる根拠や基準を必ず設けておきましょう。

按分の具体例

【家賃】
家賃10万円床面積55㎡、その内20㎡を作業場所としている場合

  • 20㎡÷55㎡=0.36
  • 10万円×0.36=3万6千円を家賃に計上

このように作業場所や事務所は面積で按分するのが合理的です。


【電気代】
一日の電気の使用時間が16時間であり、その内4時間を作業として使っていれば・・・

  • 4時間÷16時間=0.25
  • 電気料金の25%を経費として計上します


3-3.按分は年度末一括で

毎月帳簿付けをされている場合、例月は請求通り全額計上し、按分は年度末(12月)に科目別に一括して計上された方が合理的です。

3-4.注意!

注意点をいくつかあげておきます。