【1】法律ではサラリーマンの副業は禁止されてはいません
1-1どんな仕事をしようが個人の自由です
公務員の場合は国家公務員法第103条や、地方公務員法第38条により副業は原則禁止されています。ただサラリーマンの副業を明確に禁止としている法律はありません。
また日本国憲法においてはその22条に「職業選択の自由」が明記されています。賃金や就業時間、休日などが定められた労働基準法においても、労働時間外の時間や休日については労働義務を負わない日となっています。
さらに就業規則においても、労働時間外や休日の過ごし方まで規定することはできません。こういったことから見ても労働時間外については、「どんな仕事をしようが個人の自由である」と解釈してもようのではないでしょうか。
1-2.モデル就業規則の改定について
2018年(平成30年)1月、厚生労働省はモデル就業規則を改定し、労働者の遵守事項の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定が削除され、以下の通り改正されました。
第14章 副業・兼業
(副業・兼業)
第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。引用元: 厚生労働省「モデル就業規則」第67条
1-3.副業解禁か!厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
また同じく2018年(平成30年)1月、厚生労働省は副業・兼業について、企業や働く方が現行の法令のもとでどういう事項に留意すべきかをまとめたガイドラインを作成しました。その文中、企業の対応としてこのような一節があります。
3 企業の対応
裁判例を踏まえれば、原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当である。副業・兼業を禁止、一律許可制にしている企業は、副業・兼業が自社での業務に支障をもたらすものかどうかを今一度精査したうえで、そのような事情がなければ、労働時間以外の時間については、労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが求められる。引用元: 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」企業の対応
このように副業に対し前向きとも思える改正もあるのです。会社に対ししっかり筋を通して副業を認めてもらいたい方はぜひ参考としてください!
【2】バレても最小限の被害でくい止める
2-1.あなたの会社の「就業規則」はどうなっていますか
このように会社は自社での業務に支障をもたらすなどの事情がなければ、副業を認める方向で検討することが求められているともいってよいのです。また日本国憲法においても「職業選択の自由」は明記されています、しかし今後副業を認める会社も増えるのでしょうか。
あなたの会社の「就業規則」ではどうでしょう。副業解禁か、などとはいっても「副業は禁止」のまま何の変更もされてはいないのではないでしょうか。また「許可制」となっていたり「営利目的とする業務は禁ずる」とか「他の会社と労働契約を結んではいけません」などといった解釈に苦しむ表現のままかもしれません。
2-2.バレないようにこっそりやる
たとえ就業規則には禁止をされていても、「就業時間以外の時間を従業員がどのように過ごすかは、従業員の自由に委ねられているのが原則」であり、就業規則で副業を禁止することは法的に無効であるといった解釈も成り立ちます。
しかし就業規則は会社とあなたとの「契約書」でもあるわけです、規則に背けば当然ペナルティが課せられます。会社の許可が必要であるならば上司にでも相談するしかありません。
こうなると「あきらめる」のか「バレないようにこっそりやる」かどちらかですね、「この先は自己責任、本業に悪影響や迷惑をかけることなくバレずに行う」となる場合が多いようです。
2-3.相手は組織です、甘く見てはいけません
「バレないようにこっそりやる」もしのこ道を選ぶのであれば、不測の事態に直面したことを想定し「もしバレてしまったら」といったリスクにも備えておくことが必要です。
副業をしたことも問題ですが、その副業が「勤務態度へ及ぼした影響や、会社の利益を侵害させる行為のあるなし」を問われるのです。とにかく相手は組織です、甘く見てはいけません。
どんな些細なことでも不利な証拠を握られれば懲罰も免れられません。そのためにも副業において「してはいけない」ことをいくつかアドバイスさせていただきます。
【3】副業において「5つのしてはいけないこと」
3-1.会社には一切迷惑をかけてはいけません
3-2.言い訳を準備しておきましょう
あらかじめ言い逃れの効くような理由を用意しておくこともひとつです。「じつは副業は家内がやっており、自分はたまに手伝うことがあるだけです」これは定番ですね。奥さん名義で始めるといった手法もあります。
しかし糺す立場から見ると余計な弁解はせず素直に「申し訳ありません、間違ったことをしていました」と頭を下げられた方が良い場合だってあるのです。また言いわけもウソが入ると後が続きません、正直になることも必要です。
繰り返しますが本業をおろそかにせず、会社には一切迷惑をかけない、会社のモノには一切手を出さないで行う、これだけは徹底してください。
【4】人ごとではありません!副業が会社にバレる間抜けな理由
4-1.住民税の徴収方法がよく知られています
副業が会社にバレる理由と言えば、副業で得た所得を確定申告した際における「住民税」の徴収方法がよく知られています。ただしこれについては多くの方々が解説されている通り、「自分で納付」にすることによってバレるリスクは軽減します。
この件につきましてはこちらでも解説しています。
しかし実際はもっと単純な理由でバレているような気がしてなりません、何だと思いますか。理由はかんたん、「本人がしゃべってしまう」のです。副業でいくらか稼ぎ出したことが嬉しくて、自慢したくてウズウズしているわけです。
4-2.「ここだけの話、じつはオレ副業やっててな」
こういった話は酒の席上で発生します、いつもの愚痴の言い合いがひと通り終わった頃ですね。「ここだけの話、じつはオレ副業やっててな」とおもむろに口を開くわけです。
しかし、雇われることが人生である社畜にとって、副業の話になどに興味などあるわけがありません。適当に相づち打たれてさて次の話題、となるところを本人必死に踏ん張ります。「なんとか5万いきそうだよ」とか「仕事中も気になってなぁ冷や汗ものだよ」などあることないこと盛りながら「うっひっひっひ」などと笑ったりするわけですね。
4-3.やっかみや中傷がつきものです
すると数日もしないうちに社内には「○○の野郎、こっそり商売始めてたんまり儲けているってさ」などどいった話が瞬く間に広がります。だいたいこういった話にはやっかみや中傷がつきものです。
回りまわって所属長の耳に入る時には「副業するのは勝手です、でも業績が低迷している今何をすべきか、もう少し組織のことも考えてもらいたい」などといった同僚からの批判の声まで添えられています。
どうですか、間抜けな話ではないですか。しかしあなたもサラリーマンなら、わかるような気がしませんか。
4-4.自慢話だけは封印しておきましょう!
だいたいサラリーマン社会における人間関係などしょせんは損得です、表向きは「よかったね」などと言ったところ本音は何を考えているのかわかりません。また「ここだけの話」が「ここだけ」で済むようなこともまずありません。
人の口はおそろしいものです、副業のことは絶対に口にしてはいけません。自慢話だけは封印しておきましょう!やがて副業からの収入が本業のそれを上回り、会社からの脱出を決意できるその日まで。